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~APAMAN株式会社(居住用建物賃貸借仲介業)に対する入居期間中の修繕義務・費用負担義務に関する条項の是正~

 

賃貸の修理代は誰が負担?

  風呂釜やガス管、水道管など、住宅設備も、長年使っていると、色々とガタがくるものです。もちろん、自分の家ならば、水道工事屋さんやガス屋さんを呼んで、修理してもらうことになるのですが、チンタイに住んでいる場合に、こうした不具合に直面した場合、どうしたら良いのでしょうか?

 

法律の規定

  法律的には、取り外し可能なものかどうかで、結論が異なってきます。取り外しできない修理を行う場合、民法242条に「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」とあるので、修理によって新たに取り付けたものの所有権は、不動産すなわち建物所有者である大家さんの所有になってしまいます。逆に、取り外し可能なもの、例えば、備付けの照明のランプを取り替えた場合、民法の規律では、交換したランプの所有権は依然、賃借人のままになってしまいます。

 

法律に優先する契約

  大家さんは、照明器具を使える状態で貸しますが、借りてもらっている間に、ランプが切れたと言われ、いちいち交換しなければならないというのは負担です。通常、備付けの照明器具などがある場合、居住用建物賃貸借契約書には、修理や交換のための責任区分を定める規定が入っています。こうした契約上の約束は、特約といって、基本的には民法の定めに優先することになっています。

 

契約書が常に優先するわけではない

  では、契約書でどんなことでも修理費用は賃借人の負担に転嫁できるかというと、そういう訳ではありません。明渡後の原状回復義務に関する最高裁判例(平成17年12月16日)は、経年劣化の補修費用を賃借人に転嫁させる特約について、それが有効と認められるためには、契約成立時に賃借人が契約書または口頭において賃借人が特約を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど明確な合意の存在が必要であると述べて、かなり厳格に考えています。

 

申入れの結果

  こうした判例法理のもと、表記の居住用建物賃貸借仲介業者は、費用負担の責任区分について分かりにくい条項のある契約書ひな形を用いていたため、大家さんが大掛かりな修理についても賃借人に費用負担を求めるといった問題事例がありましたので、当団体は、その是正を申し入れ、賃借人の費用負担が小規模な修理に留まることが分かるような条項に改めてもらいました。

 

【従前の条項】

「.乙は、前項の規定にかかわらず、入居期間中における自然損耗・経年劣化または通常損耗等であっても、次の各号に定める修繕については、甲の承諾を得ることなく自らの費用負担において修繕を行うものとし、甲は、以下の各号に定める修繕については、修繕義務を免れます。

 ⑴ 入居期間中の畳の表替え、襖、障子等の張り替え

 ⑵ ガラスの破損による取り替え

 ⑶ 電球、蛍光灯、電池等の消耗品の交換

 ⑷ バス・トイレ・流し台等の排水の水回りの補修、給水・排水栓(パッキン)の交換

 ⑸ 【標記】E記載の鍵を紛失した場合の交換及び新設置費用

 ⑹ その他、付帯設備等の軽微な補修 」

 

【是正後の条項】

「2.乙は、前項の規定にかかわらず、入居期間中における自然損耗・経年劣化または通常損耗等であっても、次の各号に定める修繕については、甲の承諾を得ることなく、自らの費用負担において修繕を行うものとし、甲は、以下の各号に定める修繕については、修繕義務を免れます。

 ⑴ 入居期間中の畳の表替え、襖、障子等の張り替え

 ⑵ 電球、蛍光灯、電池等の消耗品の交換

 ⑶ バス・トイレ・流し台等の排水の水回りの水垢、カビ等、その清掃・手入れを怠った結果、生じた汚損、補修、給水・排水栓(パッキン)の交換

 ⑷ 【標記】C記載の鍵を紛失した場合の交換及び新設置費用

 ⑸ その他、付帯設備等の軽微な補修 」

 

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