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ホーム > トピックス > ◆改善事例 株式会社アイエーシーインターナショナルに対する申入れ

「株式会社アイエーシーインターナショナルに対する,交付文書の不返還文言、売買契約書の瑕疵担保免責等に関する是正申入れ」

 

1  問題のあった契約書等の条項と修正を求めた理由と内容

(1) 株式会社アイエーシーインターナショナル(以下、「I社」といいます。)は、自社が販売する中古自動車を購入する顧客に対し「お支払詳細連絡書」を交付していましたが、同書には「尚、ご入金頂きました代金に関しては入金目的に関わらず、いかなる理由を問わず返金致しませんので予めご了承下さい。」との理由の如何を問わず、支払った金員を返還しないとする文言が記載されていました。

    この記載は、平均的損害を超える損害賠償額の予定又は違約金を定めるもので、法9条1号に抵触するものであり、また、契約が解約等により効力を失った場合には代金を返還しなければならないという民法の原則を修正し、消費者の権利を制限し、または義務を加重し、消費者の利益を一方的に害するものであり、法10条に抵触するので、削除を求めました。

(2) I社が利用する売買契約書には、特約条項6条1項に『自動車が中古車である場合、価格ステッカー、車両状態説明書若しくは整備明細書に記載された前使用者の使用態様(走行距離等)から通常生じる瑕疵については、乙は一切異議を述べず、また甲は瑕疵担保責任を負わないものとします。』との記載がありました。

    しかし、法律上、「瑕疵」とは、「その物が有すべき品質、性能を有していないこと」を言い、極めて広範囲なものを含む概念であり、上記条項からは瑕疵担保責任を負わない範囲が大きく広がる恐れがあることから、「価格ステッカー、車両状況報告書若しくは整備明細書に記載された前使用者の使用態様(走行距離等)から通常生じる瑕疵」との記載を、「価格ステッカー、車両状態説明書若しくは整備明細書に記載された前使用者の使用態様(走行距離等)から通常生ずる性能劣化、外形上の傷」と改めるよう求めました。同時に、「また」以下の記載は、何らの限定無く瑕疵担保責任の全部を免除するものであり、法8条1項5号に抵触するため、削除を求めました。

(3) 新契約書・売買契約条項7条3項には、『自動車が中古車である場合には、乙は、プライスボード、特定の車両状態(自車メーター交換)、修復歴、要整備箇所)を表示する書面、点検整備記録簿に表示されている走行距離・前使用者の使用状態等により通常生ずる不具合について一切異議を述べないものとします。但し、保証書が添付されている場合には、乙は、その範囲で保証を受けることができます。』との記載がありましたが、この記載の中で、「不具合」とは、「その物が通常有する品質、性能を欠く状態であること」を言い、極めて広範囲な概念を含む概念であり、上記条項からは瑕疵担保責任を負わない範囲が大きく広がる恐れがある。したがって、何らの限定無く瑕疵担保責任の全部を免除するものであり、法8条1項5号に抵触するものであるため、「通常生ずる不具合」との記載を、「通常生ずる性能劣化、外形上の傷」と改めるよう求めました。

(4) 売買契約書・特約条項6条2項には『前項に拘わらず、乙は、自動車の引渡時に、その外観、装備等につき瑕疵がないことを確認するものとし、何らかの瑕疵がある場合に、引渡を終了した後は異議を述べることができないものとします。』との記載がありました。隠れた瑕疵がある場合も、売主が責任を負わないように読める規定であり、瑕疵担保責任の全部を免除するものであり、法8条1項5号に抵触するので、隠れた瑕疵を除くことを明記するように求めました。

(5) 新契約書・売買契約条項12条1項『第8条各号の一に該当する事由があるときは、甲は催告無くしても本契約を解除することができます。』との記載がありました。8条1号には、「自動車代金等の支払いを怠ったとき」が挙げられているが、これを無催告解除に事由として掲げることは、契約解除の場合に総督期間を定めた催告を経ることを要件とする民法の規定を消費者に不利に変更するものである。消費者が売買代金等の支払が1日でも遅れた場合に直ちに契約解除できることになり、消費者の権利を著しく制限し、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法10条に抵触するので、本規定の末尾に、「但し、第8条第1号の場合には、甲は、乙に対し、相当期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときに限り本契約を解除することができるものとします。」との文言を加えるよう求めました。

(6) 新契約書・注文特約条項3条2項には『乙は契約が成立するまでは、注文を撤回することができます。この場合、手付金は返還されない事に異議ないものとし、甲が被った損害を賠償するものとします。』との記載がありました。

 この条項は、申込みの撤回により売主が被った損害の金額の多寡にかかわらず、手付金全額を没収するというものであり、手付金を損害賠償額の予定として定めるものに他ならない。そして、手付金の金額によっては、損害賠償の予定の額が平均的な損害の額を超えることになるため、法9条1号に抵触するものですので、「この場合、手付金は返還されない事に異議ないものとし、甲が被った損害を賠償するものとします。」との部分を、「この場合、甲は、受領済みの手付金を甲が被った車両の整備費、登録手続に要した費用等の損害賠償に充当するものとし、充当した後の手付金の残額を乙に返還するものとします。」と改めるよう求めました。

 

2 申入れの結果

(1)~(5)については、問題があると指摘した契約条項が削除され、(6)については、条項後段「この場合」以下の部分が削除されました。

以上

 

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