活動紹介

「スポーツクラブに対する申入れ」

1 損害賠償免責条項

消費者契約法8条1項1号は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項を、同項3号は消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項を無効としています。

スポーツクラブの規約において、傷害事故や盗難について、責任を負わない旨の規定を定めていることは多いですが、スポーツクラブの債務不履行により生じた損害についても損害賠償責任を免除することは消費者契約法8条1項1号、3号に違反し無効となりえます。

2 会費不返還条項

スポーツクラブと会員との契約関係は、民法上の準委任契約類似のものと考えられます。民法の規定による場合、会員は、会員契約をいつでも任意に将来に向けて解除することができ、また、スポーツクラブが受任者の報酬請求権たる会費を請求できるのは、既履行の割合部分に限られるとともに(民法648条3項)、解除の伴う損害賠償の請求も、不利な時期においてやむを得ない事由がないにもかかわらず会員が解除した場合に限られることになります(民法651条2項)。

スポーツクラブの規約において、15日以降の退会はできないなどと定めていることはありますが、退会の希望月の前月15日を超えた場合に、退会の効力発生時期を翌月末日とする合理的な理由もありませんので、スポーツクラブの会員規約は民法よりも不利であり、消費者の契約解除権を一方的に制限するものであるとして、消費者契約法10条により無効と考えられます。

3 申入れの結果

スポーツクラブオルカには、当会の申入れを受け、問題のあった規約をすべて修正していただけました。

消費者の利益を害するような条項が用いられている場合には、お近くの消費生活センター等に相談に行ってみることをおすすめします。

以上

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改善事例 スポーツクラブ オルカ

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