改善事例 有限会社ワンラブに対する申入れ
ペットショップを運営する有限会社ワンラブに対し，購入したペットに疾患等が存在した場合であっても，消費者が一切の返品，交換ないし金銭請求ができない旨の規約・約定について，債務不履行及び不法行為にもとづく損害賠償等の請求を認めないものである等として改善の申入れをしたところ，以下のとおり改善してもらうことができました。
「売買契約」における約定
このたび，消費者からの情報提供を受けて，当団体は，㈲ワンラブが使用する書面における約定等を確認しました。
その約定等では「生体販売契約書の内容をご確認頂いた上で，署名捺印又はサインを頂き，その後，当生体の返品，交換，売買代金の返還，医療費を含む金銭の請求，損害賠償などの金銭的負担を強いる行為を要求することなできません」などとされていました。
当約定等は，事業者に帰責性が存する場合であっても，解除や損害賠償を認めない趣旨のものといえ，事業者の債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任を免除する条項の無効について定めた消費者契約法８条１項１号及び同項３号，並びに消費者の解除権を放棄させる条項の無効について定めた同法８条の２に抵触するものとして，当会は，令和２年６月１６日，有限会社ワンラブに対し，当約定等を消費者契約法８条１項１号，同項３号及び同法８条の２に沿う内容に改訂するよう，申し入れを行いました。
㈲ワンラブに対する「申入書」等
申入れの結果
当団体の申入れに対し，㈲ワンラブは，当初，誤解を招く表現があり，よく吟味する，といった曖昧な回答をおこなったり，なかなか改訂をおこなわなかったりといった姿勢でしたが，最終的には，問題の約定等において，「当店の責めに帰すべき場合を除き」などの一文が付記されることになりました。
以上