改善事例 株式会社Bridal Lへの申し入れ
1 株式会社Bridal Lが運営する「The Forest of Lold」の結婚式・披露宴における利用規約(以下「本規約」といいます。)について、消費者から契約した結婚式会場のキャンセル料が高額となっており問題ではないかとの情報提供がありました。
2 申入れの内容
本規約を確認したところ、次のような問題が確認されたため、改善の要請を行いました。
(1) 取消料に関する条項について
再販売が十分に見込まれる時期においても申込料全額及び5万円を一律に取消料に含めている部分、実費全額が支出されるとは通常考えられない時期の取消料に見積金額の100%相当額が含まれている部分、並びに、取消料に申込金相当額が二重に含まれている部分は、事業者の生ずべき平均的な損害の額を超えるため、費者契約法9条1号に違反する。
また、顧客が契約を解除した場合、いかなる理由によっても取消料が発生するとされているため、事業者が顧客との間で契約した商品又はサービスの全部又は一部を提供できなくなったことについて顧客に責めに帰すべき事由がない場合にも、顧客は当該契約を解除しても代金支払債務を負担することになるため、民法536条1項に比して、消費者の利益を一方的に制限するものといえ、消費者契約法10条に違反する。
(2) 損害賠償免責条項について
事業者の債務不履行又は不法行為によって、挙式披露宴会場の使用不可能となったり、事業者の施設内の盗難・事故又は結婚式会場の修繕・改造・各種仕様変更が発生したりして、顧客に損害が生じた場合でも、事業者の損害賠償責任を全部免除することになり、消費者契約法8条1項1号・3号に違反する。
〇 株式会社Bridal Lに対する申入書等
3 申入れの結果
上記事業者は、当団体の申入れの趣旨を理解し、本規約を変更しました。
変更後の本規約では、取消料に関する条項については、モデル約款に即した内容となりました。また、免責条項については、事業者に故意・過失がある場合及び事業者の責めに帰すべき事由がある場合には免責されない内容となりました。