活動紹介

1 問題のある規約とその問題点について
⑴ 免責条項について
会員が現実に発生した直接かつ通常の損害に限り損害を賠償するとされています。
この規約は、消費者に現実に発生した直接かつ通常の損害に限り賠償すると定めてその損害賠償の範囲を限定しており、消費者契約法8条1項2号、4号に違反しています。
また、この規約は、「当社の責に帰すべき事由による場合」における責任は、重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていないことから、消費者契約法8条3項に違反しています。

⑵ 損害賠償制限条項について
会社が損害賠償責任を負う場合であっても、金銭的賠償に代えてプラン内での補償その他の措置をとることができるとされていました。
消費者は金銭的賠償に代わる補償内容を選択したことも、金銭的賠償に代わる補償内容について具体的な合意をしたこともないことから、「別段の意思表示」などされていないというべきであり、民法よりも消費者に不利な内容であるといえます。
また、この規約は、消費者が、仮に商品により人身損害を生じた場合であっても、金銭的賠償を行わない選択を行うことや損害の内容に係わることなく無制限に代替補償を行うことを可能にしているため、人身傷害が生じてしまった消費者は、会社の選択によって損害賠償を行うことが全くできなくなり、このような規約は消費者の利益を一方的に害しているといえます。

⑶ 利用規約変更条項について
1日以上の予告期間を設け、ホームページにおいて変更後の本規約の内容を周知することにより、いつでも規約の内容を変更することができるものとし、当該予告期間経過後は、変更後の本規約の内容が適用されるものとされていました。
ホームページで周知することで、いつでも本規約の内容を変更できるとしていますが、変更内容に制限がない点で、民法548条の4第1項に違反しています。
また、この規約は、1日前に周知をすることで、規約を変更できるとしていますが、民法548条の4第2項は、定型約款の変更にあたって効力発生時期を定めたうえで周知することを求めていることからすると、1日前の周知は予告期間を設けていないのと実質的には変わらないものであり、民法548条の4第2項に違反しています。

⑷ パンフレットと本規約の優先関係に関する条項について
パンフレット・リーフレット等の各種ツール類及び加盟施設用手続きマニュアル等(利用規程)と本規約が抵触した場合は、利用規定が優先するとされていました。
消費者契約法10条は、「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。」と定めており、利用規程と本規約に抵触が生じた場合に利用規程が優先するとした場合、消費者は開示されていない利用規程が一方的に適用され不利益を被る可能性があり、これが消費者に対する不意打ちとなり、消費者の権利が制限され、消費者の利益が一方的に害されることとなります。

2 申入れの結果
株式会社メニコンは、当会の申入れを受け、問題のあった規約を修正し、または、削除しました。
ホームページで周知することで、いつでも利用規約を変更できるとする規約も多くみられますが、不特定多数の相手方との間に反復して行われる取引で、契約内容を統一的に定めるためにあらかじめ準備されたいわゆる定型約款については、一方的にいつでも利用規約を変更できるわけではありません。
消費者の利益を害するような条項が用いられている場合には、お近くの消費生活センター等に相談に行ってみることをおすすめします。消費生活センターへの相談は電話でも可能です。
以上

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改善事例報告 株式会社メニコン

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